「Connect 1 to 0」有料配信の試み
written 2017/2/5
昨年私の「Armadillo Textures」をコンサートで演奏してくれたミュージカリスランドP&Dのネットショップ設置のお手伝いをさせていただき、ここには私のミュージカリスランド委嘱作品の楽譜も置いてあるのだが、「デジタルコンテンツ」もここは扱えるらしかった。
自分は完全なるアマチュアのなんちゃって作曲家なので、自分の音楽活動にカネは絡めないようにしてきた。しかしもし私の楽曲の、他では公開しないMP3を、有料で販売してみたらどうなるだろうか? というちょっとした好奇心は持っている。
私は今回作った新作「Connect 1 to 0」を、このショップで100円でDL販売してみることにした。
以下のリンクから、クレジットカード利用で税込100円で購入できます。
https://musicalice.thebase.in/items/5399565
SoundCloudに、プレビュー音源も載せてある。
なお、利益はすべてミュージカリスランドの芸術活動(コンサート等)に当てられるので、私は一銭ももらわない。
楽曲の方だが、エレクトロニクスによる現代音楽、ややエレクトロニカ風味、瞑想的だが切っ先の鋭い異質要素の闖入も混じった、自分としては若干珍しい曲調。音楽の「時間」要素にいつになく着目した、自分としてはちょっと画期的なところもある作品だ。
この曲を筆頭として「Thin Time Laboratory」なる純電子音楽的な実験作の連作を作り、ショップに並べていくつもりだ。ボカロも使うかもしれない。
さて本当に「有料配信」してみると奇妙な感じではある。自分の音楽に定価がつく価値があるかどうかは人様が決めることで、私には自信なんぞないのだが、既にネット知人が買ってくださっている。なまじ知人なだけに、お義理でお金を要求してしまったようなバツの悪さを感じる。是非知人でない方も買ってみていただきたい。
100円なので、「缶ジュースよりも安い1曲」というのがポイントである。それにしては、カード情報とか入力するのが面倒かもしれないけれど。
もっと広い層に買ってもらいたいなら、bandcampを使ったり、カネがあるならiTunes Storeで世界に向けて発信した方が有利だろう。だがそれだと利益が私に入ってしまうのだ。東北震災のときのチャリティー企画でボカロ曲を販売したときもお金はもらわなかったので、やっぱり、そのへんは私の音楽と分けておきたいのである。
JASRACが音楽教室からも著作権料を取るということで最近騒がれており、一方、はやりのストリーム配信だと楽曲制作者には雀の涙ほども利益が入らない、職業としての作曲家なんて生計が成り立たない、というような声も聞こえてくる。けれども元来、音楽とはそんなに儲かるものではなく、それで儲けようという現代社会がどこか歪んでいるのであって、個人的には、ヨーロッパ中世の吟遊詩人のようにさすらって行きたいと思っている。私の場合は生業は別にあるので。安月給だけど。
たぶんそんなには売れないと思うけど、電子音楽「Connect 1 to 0」、もしかしたら作者にとって転機となるかもしれない作品なので、良かったら購入して、聴いてみて下さい。