2本のフルートのための3つの小品

written 2024/1/2　[ updated 2024/1/9 ]

2024.1.2完成。
　これも2024年9月の作曲個展コンサートのために書いた作品。
　まず、いかにも現代曲という感じの室内楽が無いと思って1曲目「Materialistic Perspective」を書いた。即物的で、無の心境をもたらしてくれるようなタイプの現代曲を聴くことは好きだ。本作では冒頭主題を12音主義で作り、ときおり情緒的なフレーズも出現するが、エリオット・カーターの流儀のように、たちまち寸断して情緒の持続に抗う。
　次いで、これまでさんざんバッハに倣ってフーガを書いてきたのに、このコンサートには完全な形のフーガがないなと思ったので、「Fugue Antique」を書いた。本当は主題の反行形や拡大形を使うのが好きなのだが、それをやると曲が長くなってしまうので、ここではやめといて、あっさりと終わらせたが、かつてグレン・グールドの演奏を聴いて大好きだった「オルゲルプンクト」も登場する。
　最後の「Tomorrow」はブルージーな楽曲。ロック調というとこのコンサートでは「Rock Number」が既にあるが、そちらでは冒頭主題をテトラコルドで作って若干ドビュッシー/ラヴェル風の味わいを醸し出してしまったので、こちらはよりシンプルに作った。形式的には、まるでモーツァルトの時代のメヌエットのような、明快で端正な形式に収まっている。最近はディープ・パープルなんかが好きだ。

1. Materialistic Perspective
Score:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/MaterialisticPerspective_Score.pdf
Part od Flute 1:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/MaterialisticPerspective_Flute1.pdf
Part od Flute 2:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/MaterialisticPerspective_Flute2.pdf

2. Fugue Antique
Score:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/FugueAntique_Score.pdf
Part od Flute 1:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/FugueAntique_Flute1.pdf
Part od Flute 2:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/FugueAntique_Flute2.pdf

3. Tomorrow
Score:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/Tomorrow_Score.pdf
Part od Flute 1:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/Tomorrow_Flute1.pdf
Part od Flute 2:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/2Flutes/Tomorrow_Flute2.pdf