破局のマリア - バリトンとエレクトロニクスのための
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written 2023/11/12
(TIME: 6:18) 2023.11.12完成。
2024年9月に予定する作曲個展コンサートのクライマックスとなる曲として作曲。
ヤニス・クセナキスの管弦楽曲のような大迫力の、喧しいサウンドを当初イメージしていたが、作曲中はむしろ新ロマン派と呼ばれるヴォルフガング・リームの音楽を聴きまくっていた。
コンサートではバリトン歌手が、カラオケとしてのオケと共に歌い、私は爆発音や火事の音のようなサンプル音や、ほんの少しシンセサイザーを操作する。オケのサウンド全体にエフェクトをかけるかもしれない。
歌手は指揮者なしで歌わなければならないので、テンポとリズムが分かるように編曲を工夫しなければならなかった。
歌詞の中で
「狂った者らは弱者を殺戮し・・・」
という箇所は2016年の相模原の障害者施設の連続殺人を、
「まちに火を放った」
という箇所は2019年の京都アニメーション放火殺人事件をイメージしていた。
また、「不安に駆られて人を攻撃した」といった辺りは、コロナ禍でも沸騰していたSNSでの憎悪に満ちたやりとりから、私自身がこの国(世界)の終焉の近いことを予感させられた経験に基づいている。
この恐ろしくネガティブな世界観の歌曲が、コンサートの中で決死の問いとして立ちあらわれてくれたらいいと思う。
なお、マリアへの呼びかけ・祈りの体裁は文学的意匠であって、私自身に信仰は無い。
スコア(バリトンと、オーケストラのごく一部を目印として引用したスコア):
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/Maria/Maria_Score.pdf
バリトンのパート譜:
http://www.signes.jp/musique/Concert2024/Maria/Maria_Baritone.pdf
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