まどろむソフィー - ヴァイオリンとエレクトロニクスのための
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written 2023/11/4
2023年9月3日のコンサート「第9回北海道の作曲家展」出品しようと思い作成した曲。
2年ほど前から、電子楽器やスピーカー等のセットをコンサートで試したいと思っており、一つのシンセでたくさんの音を同時に鳴らすためマルチティンバー音源を用意。これ一つであれば荷物も少ない。
作曲したのは2022年末から2023年始め、その数ヶ月前から私は気まぐれを起こして19世紀の一般的なクラシック音楽(調性音楽)をやたら聴きなおしており、勢い自分の作曲も調性的な面が強くなった。それをバーチャル・アナログ・シンセ(Kyra)で鳴らしてみると、アナログなだけあって何だか古いフュージョンのサウンドのように聞こえた。悪い意味でのフュージョンだ。
2月末頃にいったん曲は完成しヴァイオリン譜を奏者の山本泰子さんにお渡ししたものの、聴き返すごとに自分の中で不満が大きくなり、とうとう、サンプラー等の機材を増やし、単純なアナログ感を消すように努めた。機材は膨大になっていき、おかげで、9月3日当日の機材搬入とセッティング、および撤収はやたらと大変な作業になってしまった。
ヴァウオリニストはシンセから出力されるクリック音をイヤホンで聴いてテンポをキープする仕組み。電子楽器担当の私は、サウンドを変調・調整したり、サンプラーのボタンを叩いたり、キーボード・シンセを弾いたりする形とした。この私の動作は即興的な面があって、毎回少しずつ異なったりする。
9月3日コンサートの演奏はYouTubeに公開したが、この日はゲネプロのときから電子機器の音量バランスが悪く、本番でもシンセ音、特に手弾きのパートの音が大きすぎた。
2月25日にいったん完成したこの作品はその後もずるずると(ダラダラと)いじり続けて変容し、おまけに演奏時に私の機器操作がちょっとずつ変わってしまうという、永遠に未完成の、「閉じない」作品になってしまった。
楽譜(ヴァイオリンパート):
http://www.signes.jp/musique/mixtures/Sophie/Sophie_vn.pdf
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