ヘンリ・ジェイムズ
written 2003/9/6 [ updated 2006/6/1 ]
James, Henry (1843-1916)
H・ジェイムズは異様に密度の濃い文体で、できごとを曖昧に描きあげる。その曖昧さ、難解さ、不可知性が20世紀にふさわしい。
曖昧なのは、特定の人物の「視点」を通してしか事象が姿を表さないためである。
もうひとり (1900)
ジェイムズは大長編が多いが、稠密な文体であるために通読するとかなり疲れる。短篇小説はその点、比較的手軽に楽しめる。
鳩の翼 (1902)
疲れる大長編の一つ。 しかし、その濃密な文体の味はやはりすばらしい。