item 転身と失墜:倖田來未「恋のつぼみ」

textes ... 批評 > 音楽

written 2006/5/31 [ updated 2006/6/1 ]

倖田來未試論・2

あいかわらず倖田來未の音楽を聴き続けているのだが、やはり、この人のCDは最初のものが一番よくて、最近のものほど出来がよくない。
最新のシングルという「恋のつぼみ」もやはりダメだった。(TV番組で聴いただけだが)

あまりにもポップな曲で、強いて言うと関西弁(京都弁?)を使っていることが珍しいのかもしれないが、そんなのは前のアルバム(4枚目)「secret」(2005)の「LOVE HOLIC」ですでに先例があるわけだし、そっちの方がましだと思う。
私にとって気になるのは(ニセ)BEST2枚目の「BEST 〜second session〜」あたりからはっきりと明らかになってしまった「方向転換」の過ちである。

たぶん本人は「エロかっこいい」という例のキャッチコピーが気に入らず、そこから脱却しようといろいろやっているように見える。もしかしたらレコード会社の意向なのかもしれないが、どうも本人の意志のように見える。
つまり転身をはかったわけだが、「エロ」はともかく、「かっこいい」という従来の長所まであえて捨ててしまっており、それじゃあもう何も残らないじゃないか、という地点に来てしまっている。
ただのありふれたポップでしかないのだ。歌唱力を生かすような楽曲も、いいメロディーで印象に残るような楽曲もない。プロデュース陣は何をやっているのか。

イメージ上の転身をねらうあまり、音楽上の探求をおざなりにしてしまったという事なのだろうか。
ミュージシャンは、音楽だけを見つめ続ければいいのである。

暴言をあえてしますが、この人(倖田)はきっと、いい男(プロデュース陣)といっしょにいないと、どんどんダメになっていくタイプなのですかね。

このコンテンツに投票

■ この記事/文章が気に入りましたら、投票して下さい。

まあまあよいと思った
とてもよいと思った

2 point / 投票数 1 2point

feedbackによるコンテンツランキング
informationfeedback機能について

現在のカテゴリ : textes ... 批評 > 音楽

2215995

* * *

Written by nt.

無断転載禁止
引用箇所や掲示板への投稿など一部を除いて、当サイト内のすべての 文章・楽曲・画像等は作者ntの著作物です。
▼Webページへのリンクはご自由にどうぞ。
http://www.signes.jp/textes/
WebMaster: nt - Contact | Information | TopPage

Copyright (c) 2002-2010 nt. All rights reserved.