ガブリエル・フォーレ
written 2003/9/6 [ updated 2006/6/2 ]
Faure, Gabriel (1845-1924)
昔、パスカル・ロジェ(p)がフォーレの初期作品を弾いたCDを聴いて、
「すごくきれいだな」と思った。
初期の作品は親しみやすく、ほんとに「きれい」という感じなんだけど、
後期になってくると「なんだか変だな」と感じる部分が多く、
聞き返していくとそれがフォーレならではの味わいだということに気付く。
後期の作品はじっくりと何度も聞き込める音楽。
ドビュッシーみたいに革新的でもなく、
ワーグナーほど表出的でもないフォーレの音楽は、
とても地味ながら有名な「レクイエム」とか「ペレメリ」
だけで終わってはもったいない。
しかしピアノのための晦渋な「前奏曲」あたりから以後は、
ついて行けるかどうか(ついて行きたいと思うかどうか)は
趣味の分かれるところかもしれない。
フォーレのベストは歌曲、という評価が一般的だが、
晩年の室内楽曲・ピアノ曲がいい。
歌曲集「イヴの唄」(1910)
緊張感に満ちた出だしが実に美しい。
ピアノ五重奏曲2番 ハ短調 Op.115 (1920)
フォーレ独特の複雑で精緻な音の織物。
たまにこの曲を聴くと、すごく感動させられる。妖しさとかそういう輝きではないが、美しいというのはこういう音楽のことをいうんだなと思う。
夜想曲第13番 ロ短調 (1921)
フォーレのピアノ曲は長くなる傾向があると思うが、 これはすごく興奮させる曲。感動の名曲だ。