「Monetary Nature」を改訂
written 2013/7/15
1ヶ月ほどかけて作ったピアノと管弦楽のための「Monetary Nature (貨幣性)」、さらに3週間くらいかけてfinaleで楽譜を作成した。改めて楽譜化するに伴い、楽器編成を見直したため、全体的に音そのものを付け加えたり、変更したりすることになった。
かくしてこの曲、どうやらあまり人には歓迎してもらえなかったものの、とにかく手間のかかった作品となった。
Monetary Nature (Piano Concerto No.1)
2013/6/22完成 、7/15改訂 演奏時間12:34
掲載ページ:http://www.signes.jp/musique/index.php?id=814
楽譜:http://www.signes.jp/musique/Orchestra/MonetaryNature.pdf
音源:http://www.signes.jp/musique/Orchestra/MonetaryNature.mp3
楽譜化にあたって矢代秋雄と三善晃の両ピアノ・コンチェルトの楽譜を購入し、参考にした。もともとオーケストラのことなんか全然知らない私だが、書きながら、やはりオーケストラ作品を書くというのも面白いものだなあと感じた。ただ、やたらと時間がかかることは確かだ。オペラなんて書く人の気が知れない。
本作は、セリー構造に基づいた音選びが優先されているため、いつもの私の和声感とはちょっと違う。ちょっと違うけれど、いつのまにか「いつもと似たような」ところも出てくる。全面セリーでなく、おおむね新ウィーン楽派時代の12音書法を用いているので、思ったよりも恣意性が高い。偶然的、他者的な要素が結局あまり出てこなかったのはそのせいだろう。とはいえ、この作品は私の創作履歴の中では一つの画期となるものだと思っている。一つの可能性へと向かっている。
オーケストレーションについては、ご覧のとおり、突っ込みどころがたくさんあるシロモノだ。アイヴズのオーケストラ作品も、私なんぞが聴いても明白なほど素人っぽい書法だが、私のはそれ以下だろう。
チェレスタや打楽器類をもっと使いこなせば色彩感も出てきて、面白いオーケストラ作品が書けるかもしれない。けれども、音符数の多い、長めの曲はとうぶん書きたくない。
この曲が実際に演奏されることはないだろうが、クラシックにおいては楽譜の作成はやはり「必要」なのだと思った。今回公開した楽譜に問題があれば、また改訂したい。
しかし、稚拙な書法がもたつくうちに、またしても<音楽>は逃げ去った。
こんどはもっと音数の少ない、たとえばピアノ独奏曲あたりを書こう。