「音楽のめざめ」を公開
written 2010/10/31
久しぶりにボーカロイド初音ミクを使った曲。しかし、特に出だし部分など現代音楽風で、POPと言うより歌曲ふうのイメージ。クセナキスを意識した前作「Iannis-C」の路線にボカロを加える、という感じの計画だった。
ただし無調なフレーズをボカロに歌わせるとなぜか「ただの音痴」に聞こえてしまうという経験から、旋法的音階ないしテトラコードを用いた民謡風メロディーをあて、バックでさんざん無調を重ねるというスタイルにした。
音源ファイル(MP3):http://www.signes.jp/musique/Prism/AwakeningOfMusic.mp3
歌詞ファイル:http://www.signes.jp/musique/Prism/AwakeningOfMusic.txt
掲載ページ:http://www.signes.jp/musique/index.php?id=689
だが実際の制作にあたって、当初の構想が途中で崩れてしまい(頭の中のイメージを実際にサウンドにするとなんだかイヤな音楽になってしまった)、いったん白紙に戻してやり直そうとしたが、ひとたび壊れたイメージを別方向に修復しようとしてもなかなかアイディアが出ず、今回はいつもより苦労した。
結局、サビのような箇所(fffで「そーんざーいはー」と始まる部分)をややトーン・クラスターふうのサウンドで強行突破して、カオス状態からいつの間にかエレキベース付きの、エレクトロなリズムシーケンスが流れ出るといういまの形で収まった。ラップ(らしきもの)に進んだのも、その場の思いつきだ。
今回の歌詞は多分にメッセージ的なものなので、その思想に見合う音楽を構築しなければならなかったが、このクラスターっぽいサウンドのサビ?はインパクトがあって、わりといいんじゃないかと思う。
どうせボカロやるなら、もうちょっと「Melancholie」に近いような、ふつうにPOPな歌にしたほうがいいんだろうけれど、かねてからやってみたかった「歌曲系」で今回は行ってみた。
人気を博すことはないと思うし、動画化するのは今回は面倒だ。が、ボカロはどうしても歌詞が聴き取りにくくなるので、動画があった方が歌詞も載せられるし何かといいことは確かだ。どうしようか迷っている。
しかし何となく今、疲労の色があり、少ししばらく休みたいような気分だ。