記号、生体、テクスト
written 2002/9/23 [ updated 2006/5/26 ]
ふと考えたことを書き留めておく。
構造主義や記号論は、形而上学に対する徹底批判の後に生まれてきた。
それは文化現象、特に「書かれたもの」や「言説」を解体・批判するのには、非常に有効な思考法だ。
だが記号論は、それ以外のものを言及することができない。たとえば、生体について語ることが出来ない。
私が「エチュード」等に最近導入した「テクスト」という概念は、もちろん、クリステヴァや後期バルトの思想に由来するのだが、この「テクスト」とは、結局のところ記号作用の解析だけでは理解できないものを指し示すために生まれてきた概念ではないだろうか。
だから、記号論的に「テクスト」について記述しようとすると、どこかにムリがかかる。