Karma [with Toupe Mapeto]
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written 2017/3/19
Toupe Mapetoさんとの共作。
私が「なにか新しいコラボレーションをやりたい」とぼやいていたところ、Mapetoさんから申し出ていただき、「50-60年代の現代音楽の進化形のようなものを。これにかぶせて」と、パーカッションや声の入ったトラックが送られてきた。
50-60年代の現代音楽と言うことで私はすぐにオーケストラにしようと考えていたのだが、Mapetoさんのトラックは既にバリバリのコンプレッサーもかかっていて激しく、オケと同時に鳴らすには、そのままではうるさすぎるように思えた。そのためトラックをこちらで切ったり貼ったり、部分的にエフェクトを加えたり、ボリューム調整をしたりして、およそオーケストラとは親和性のなさそうなこのトラックを丸め込もうと画策した。
しかしそれでも、このパーカッションは「手弾き」ゆえにリズムのタイミングがファジーだったり、自在に変拍子に突入するため、これに「合わせる」のはほとんど不可能だった。
そこで敢えて「カオス」は「カオス」として呈示することと決め、ふたつの異なる生命体が、互いに排斥するでも融和するでもなく、絡み合いながら共存するような構成を堅持することにした。いわば「私の音楽」と「Mapetoさんの音楽」との関係性/差異それ自体が、微妙にうごめいているような、ちょっと不思議な音楽になったと思う。主観性を超えた、「間主観性の音楽」である。
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