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カテゴリ「textes」のコンテンツ一覧

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  1. item反復と断絶 [textes/思考] 2009/11/15

     フロイト-ラカンが重要な概念として強調する「反復」とは、反復強迫、まずは「外傷の反復」である。フロイトは「快楽原則の彼岸」(1920)の中で、主体にとって疎ましく、破壊的なものであるような外傷の記憶が、なぜ神経症者の夢に繰り返し現れてくるのかという問題を考えていき、「自我欲動 = 死の欲動」というアイディアに到着した。  クロード・レヴィ=ストロースが「未開」社会の神話や民族誌から抽出してくる「...

  2. item転生願望 [textes/notes/雑記] 2009/11/8

     日本民俗学の名著、宮本常一『忘れられた日本人』(1960、岩波文庫)を読んだ。  有名な本だが、今まで読んでなかった。しかし、これを若い頃読んでしまったとしたら、たいした感慨もなく、あっさりと通過してしまっていたことだろう。  いま、若さを失い、執着を忘れ、自己の生をちょっと離れた場所から(おおむね過去のものとして)眺めることができるようになってみて、環境やラングにはめ込まれた「生」という相対的...

  3. itemフロイトの症例研究 [textes/批評/哲学・思想] 2009/10/20

     かつて、その読解困難さが名高い『エクリ』に辟易させられたが、ジャック・ラカンにもう少し挑戦しようと思い立ち、そうするとフロイトも改めて読み込まないとならないということになった。  ジークムント・フロイトについては、主な著作・論文はだいたい読み、おおむね了解しているつもりだったが、実は読んでいなかった「症例研究」のシリーズをこのたびまとめて読んでみて、予想外の感銘を受けた。  フロイトの「症例研...

  4. item装甲する身体 [textes/思考] 2009/10/5

     自己の身体を、意識された不特定の他者たちの視線中にさらすことは、自己イメージを意図的に再構成して対象化しなおし、もう一つの視点からそれを眺める、といった自己分裂の営みにつながっていくことになるだろう。演劇を行うということはすべてこのような眼差しの二重化を意味している。  身体の装飾や仮装については、「未開」社会では特に儀式的な場において、神話的な表象群の中に身体を組み込むために、行われる場合が...

  5. item目の前の三重奏 [textes/notes/雑記] 2009/9/24

     割と近場で、安くピアノ三重奏が聴けるクラシック・コンサートがあって、(出不精の私には珍しく)行ってみた。  3楽器以上の室内楽コンサートは、そういえば、初めてかも。  演目はハイドンとメンデルスゾーン。  私はチェリストのすぐ前に座っていた。その距離、せいぜい2メートル。思いっきり唾を吐けば届くかもしれないくらいの距離だ。  おかげで、チェロの音がずいぶん聞こえる。ヴァイオリンのラインよりもチェ...

  6. item坂を越える [textes/notes/雑記] 2009/9/23

     今日でとうとう40歳になってしまった。  自分がここまで生き延びてくるとは思っていなかったので、なにやら意外で、気が抜ける感じだ。  自殺したり、事故にまきこまれたり、急激にガンに襲われたりしなくても、私はそうそう長生きしないと思われるので、40と言えばすっかり人生の後半戦・あるいは晩年である。  30代であれば、まだまだ自分は若いというつもりでいられるのだが、こうなるとそうも言えない。もはや、...

  7. item倉木麻衣「ALL MY BEST」 [textes/批評/音楽] 2009/9/13

     デビュー10周年を迎えた倉木麻衣が、5周年目の「Wish You The Best」(2004)に続く2つ目のベストアルバムを出した。早速限定盤「ALL MY BEST(初回限定盤)(2CD+DVD)」を入手した。 「ベストアルバム」なんてものは、本当はさほど重要なものとは思えない。過去のアルバムを全部持っているなら、今どき、パソコンを使えばごく簡単にオリジナル選曲の「ベストアルバム」を作るこ...

  8. item残虐な集団 [textes/notes/雑記] 2009/8/15

     なんとなく骨休めにと、「ダライ・ラマ自伝」(山際素男訳、文春文庫)を読んでみた。  1950年以降、共産党中国によりチベットが侵略され、おそろしい暴行・大量虐殺・陵辱・文化の蹂躙の限りが尽くされ、ダライ・ラマ14世はインドに亡命、こんにちに至るわけだが、そのへんの事実が冷静に書かれており、生きた「史実」の迫力に心奪われる。  ダライ・ラマ14世が毛沢東や中国共産党幹部らに直接接触して得た印象等が...

  9. item神話としての音楽の可能性 [textes/notes/雑記] 2009/8/14

     作曲行為を封印してしばらく経った。前作「マーヤ―」は濃密ではあるが失敗作|駄作だった。それは「ただのフュージョンにすぎない」ものだったと現在の私は考える。一方、その前の作品「かけら、羽のように」は、同様にフュージョン的混成の手法を用いてはいるものの、(「単なるフュージョン」に留まらない)何か別のものを生成しようという欲動が垣間見え、未熟ではあるもののかすかな手応えを感じさせた作品だったと思う。 ...

  10. item頑迷さとしてのヘーゲル [textes/批評/哲学・思想] 2009/7/26

    &o  ヘーゲルの歴史哲学については、もう読んだものとずっと思ってきたのだが、最近になってそうではないことに気づいた。そこでようやく岩波文庫の上下2分冊『歴史哲学講義』(長谷川宏訳)を買い、読み始めた。難解な部分はほとんどない、平易な文章だ。  なぜ既に読んだものと思い込んでいたかというと、少なくとも20世紀以降、ヘーゲルの歴史観はすこぶる評判が悪く、近代西欧至上主義の独善的な考え方で非西...

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